カンボジア教育・青少年・スポーツ省が策定した教育戦略計画(Education Strategic Plan 2014-2018)では、①教育へのアクセス充実、②教育の質向上、③教師の質向上を重点課題として掲げています。しかし、2016年に実施された国家学力試験では、12歳の算数試験受験者の53%が「進級基準未達」となり、今まで以上に理数科教育の質的向上が喫緊の課題として浮き彫りになりました。
課題解決への提案
思考力を育成するアプリ教材「Think!Think!」
ワンダーファイ株式会社(旧:花まるラボ)の開発したアプリThink!Think!は、子ども達の自発的な学びを促す迷路やパズル等の要素を取り入れた教材で、「空間認識力」や「論理・数理的思考力」等の能力を自然に向上させることに期待できるアプリです。これまでの暗記、詰め込み型の教育のみならず、子供の思考力を育てる事によって、理数科教育の理解力を高める効果を発揮します。
我々は小学校のカリキュラムにThink!Think!の導入することをカンボジア教育・青少年・スポーツ省に提案し、試験的な導入と効果検証を行いました。
小学校1年生~4年生を対象として3年間で累計5,186名(1年目527名、2年目1,525名、最終年3,134名)のThink!Think!学習の効果検証を実施しました。その結果、学習したグループは、しなかったグループと比べて、認知能力は4年生が偏差値2.87、5年生は7.17、6年生は3.28のプラスの効果が表れ、非認知能力は「内発的動機づけ」「自尊感情」「学習時間」にプラスの効果が表れていることが確認されました。これは他国で実施された数々の実証実験と比較しても、高い効果がでていることも判明しました。
APECの「世界で最も効果的で革新的なオンライン教育アプリ」1位受賞
アジア太平洋経済協力(以下 APEC)が実施した、世界で最も効果的で革新的なオンライン教育アプリを選ぶプロジェクト「Digital Innovation and Educational Opportunities」において、日本、アメリカ、中国、オーストラリア、ペルー、タイ、チリの7ヶ国から12アプリがノミネートされ、一般投票の結果「シンクシンク」が1位に選出されました。
同プロジェクトは、APEC参加国の中から優れたオンライン教育アプリの情報を収集・分析し、最も効果的で革新的なものをAPEC参加国で共有することで、教育の質全般を向上し、教育格差を解消することを目的としています。
資金スキーム:独立行政法人 国際協力機構(JICA)
JICA中小企業・SDGsビジネス支援事業-案件化調査-(3000万円枠)
プロジェクト名称:アプリ教材「Think!Think!」を用いた思考力教育の導入に関する案件化調査
JICA中小企業・SDGsビジネス支援事業-普及・実証・ビジネス化事業-(1億円枠)
プロジェクト名称:アプリ教材「Think!Think!」の活用による初等教育のSTEM学力向上に関わる普及・実証・ビジネス化事業(中小企業支援型)
当社のコンサルティング概要
調査資金の獲得支援から完了報告書までトータルサポート
本事業は、慶應義塾大学、ロコモ株式会社と弊社の3社がコンサルタントとして加わり、実施しています。
担当者はチーフアドバイザーを拝命し、全コンサルタントメンバーの総責任者